コーヒーの種類で味って変わるの?

コーヒーは農産物で、たくさんの種類があります。品種の原種は、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種の3つですが、約70カ国で生産され、栽培する品種の数で言えば、200種類もあります。

とはいえ、どこでも栽培することが出来るわけではなく、ワインやブドウ、チョコレートのカカオと同様、限られた地域で生産されています。赤道から南緯25度、北緯25度のコーヒーベルトと呼ばれる範囲で主に生産され、中南米、アフリカ、アジアが主な栽培圏内となります。

名前は、ブラジル、コロンビア、グアテマラなどの国名がそのまま使われていたり、産地や発信地となる山や港の名前が使われたりします。

例えば、よく耳にする「モカ」は、中東のイエメンにある港の名前で、モカ港から輸出される豆はモカと呼ばれます。キリマンジャロもタンザニアにある山の名前だったりします。

産地別でコーヒーの味は変わる

コーヒー豆そのものの風味は、品種と育つ土地の条件によって変わってきます。

コーヒーはコーヒーの木から栽培されます。産地が異なれば、土壌の質や気候、天気などが変わるので、育つ環境が変わってきます。その異なる環境が、コーヒーに含まれる成分を変化させ風味が変わってきます。

ここでは豆そのものの風味的なところでざっくりと、ご説明してみます。
個人的な感じ方もあるので、参考までに読んでみてくださいね。

ブラジル

ナッツのようなフレーバーという表現がしっくりくる気がします。
浅煎りから深煎り、ブレンドの中心的な役割を補ってくれるような、中心的な存在ですね。

クセが少ないので、どんな方でも美味しく飲める豆だと思います。

コロンビア

マイルドコーヒーと聞かれたら、コロンビアでしょうか。
栽培者の状況で味の印象も大きく変わってしまうので、説明が難しい点もありますが、高品質なコロンビア豆は感動する美味しさを感じます。

グアテマラ

コクが豊かで甘い香りが特徴ですね。
カラメルやチョコレートのようなボディ感もあって、中深煎り〜深煎りがおすすめです。

蜂蜜やチョコのような甘い香り、当店でも好きな方が多いですね。

エチオピア

フローラルで華やかな香り、柑橘系の香り。
個人的に、始めてエチオピアのイルガチェフを飲んだ時の衝撃は忘れられません。
「なんだこのコーヒーっ!」って思いました。

ナチュラル製法とウォッシュド製法だと印象がまったくことなりますし、焙煎次第によって顔色が変わるので、とても面白い豆です。
当店では、ブラックコーヒーが飲めない方が、エチオピアのコーヒーで覚醒してコーヒー好きになった方が南院もいます。

インドネシア

アジアの豆で乾燥工程を進めるスマトラ式という製法で作られています。
マンデリンは特に有名ですね。

独特なスパイシーな苦味があります。
当店では、中深煎りのものと極深煎りのものとありますが、どハマりする方が何人いたことか。
他のコーヒーは一切飲まず、マンデリンしか注文しないコーヒー通のお客様がとにかく多いです。

ケニア

ニューウェーブのコーヒーショップには、多く置かれるケニアの豆。
とにかく酸質に特徴があり、鮮明な果実感が人気の秘密なのだと思います。
複雑な香味がクセになります。

浅煎りのイメージが強いですが、良質なものは深煎りでもとても美味しいです。

産地が同じなら同じ味になるのか

そして勘違いをされている方がとても多いポイントがあります。

例えば、当店でお客様のこんな会話があったりします。
「ブラジルって深入りで美味しいよね。」とか、「コロンビアの豆は酸っぱくて嫌いなの。」

皆さんはこの会話の何がおかしいか分かりますよね。

これは焙煎の話になるのですが、まったく同じ生豆でも、焙煎する人や焙煎機によって、出来上がるコーヒーの味はことなります。

豆そのものの風味と、焙煎具合の話がごちゃごちゃになってしまっていることが、多くあるんです。

焙煎するお店や、ロースターさんはその豆が深煎りが美味しいのか、中煎り良いのか、深煎りが合うのかということを考えて、そのロースターさんが良いと思う焙煎具合で焙煎します。

産地別にその豆の美味しい焙煎具合というのはありますが、ロースターさんの考え方次第です。
参考までに覚えておくと良いと思います。

まとめ

ざっくりと産地によって、コーヒーの味がなぜ異なるのかをご理解いただけたと思います。

同じブラジルでも、焙煎具合によって味は異なりますが、ブラジルそのものの風味が分かってくると、Aのお店のブラジルは甘い香りがして美味しい、Bのお店のブラジルは深煎りでコクがあって美味しいと言ったように、産地のベースとなる風味を知っていると、ご自分にあったコーヒーを見つけやすくなります。

また、産地別にイメージがついてくると、このお店のコーヒーや産地の特性を生かしているのか、生かせていないのかという観点でコーヒーを楽しめるようになってきます。

こうなると、コーヒーを飲む楽しみが倍増しますよ。

美味しいコーヒーと出会った時、どこの産地でどんな焙煎具合で、そして何が自分にとって美味しいと思ったのかを感じておくと、さらに美味しいコーヒーと出会える確率が上がると思います。

少しでも、そんなことを感じながらコーヒーを飲んでくれる機会が生まれれば、嬉しく思います。

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