真空管アンプってなんなの?

真空管アンプ

真空管のアンプって音がいいとか、やさしい音がするとかオーディオ好きな人は言いますよね?
でも、実際のところは「なにが?」って思いませんか?

実際に当店に来られるお客様から、
真空管は何がいいのですか?」と、聞かれます。

今回は真空管アンプは、現行のアンプと何が違うのかを
ざっくりと分かりやすく説明してみたいと思います。

そもそも真空管って何よ?

昨今、あまり見ることもない真空管ですが、半導体の技術が発達するまではラジオを始め、通信機器に使われていました。

オーディオ機器だけは、あえて真空管を使ったアンプが現在でも、販売されています。

現在、真空管はロシアや東欧諸国、中国などオーディオに使われる真空管が生産されています。
1980年代前半までは日本でも生産されていました。

真空管は真空にした菅の中に電極とヒーターが入っています。
そして、電子の増幅や変調、整流、発振をすることができます。

ここら辺の科学のことは正直自分もあまりわかっていません。。。
詳しくご説明できず、ごめんなさい。

要は、CDプレーヤー、レコードプレイヤー、ポータブルプレイヤーなどの小さな電気信号はそのままスピーカーに繋いでも電気信号が小さすぎて、大きく音を出すことができません。
そこで、アンプという機材が信号を増幅し、スピーカーで出力できるくらいの大きな電気信号にしてくれます。

そのアンプが真空管を使って増幅させるのか、半導体(トランジスタ)を使って増幅させるかという違いです。
真空管を使用して小さな電気信号を大きくするのが真空管アンプということです。

最近では半導体を使用したアンプが一般的ですが、真空管アンプは独特の音を出すことできるので、根強い人気があるんです。

真空管アンプの特徴

音としての帯域幅など、数字でみれば明らかに最新の技術を使った半導体アンプのほうが性能は良いです。
技術はどんどん進歩していますので、どんどん音質も良くなっています。

それでもなぜ、高額なお金を出してまで真空管アンプを買う人がいるのか?

言葉で説明するのは難しいのですが、温もりある音とでも言うのでしょうか。
例えばデジタルの硬い音ではなく、ふぁーっと伸びるやさしい音の感じとか、なんでもかんでも忠実に再生するのはなく、心地よいところを丸く出してくれるような。
音の角がなくなり、でも太さが保たれているような。

車でいうと、最新のハイテクカーと経験を積んだエンジニアが作り上げたヴィンテージカーという感じでしょうか。
クセは強いけど、そのクセが自分には楽しく感じるという具合ですかね。

言葉でうまく説明できずで申し訳ないのですが。。。
なんとなく、ニュアンスを掴んでくれると助かります。

真空管のメリット

真空管アンプの最も面白いところは、真空管によって音の質が変わるということです。
同じコーヒーでも、産地別の豆に変えることで全く異なる味を楽しめるように、
真空管を変えることで、異なる音質を楽しむことができます。

特に出力菅と呼ばれる部分に関しては、型番が同じであってもメーカーや年代によって
音の印象がぜんぜん変わってきます。

真空管は自分で取り替えることができるので、
聞く音楽ジャンルによって、真空管を変えるということも可能です。

また、真空管から放たれるやさしい光も魅力の一つではないでしょうか。

真空管のデメリット

真空管は長く使えるものではありますが、一応寿命があります。
真空管の寿命は一般的に5,000時間と言われています。

もちろんもっと早くダメになることもあれば、10,000時間を超えても
問題なく動作することも多々あります。
製造過程での当たり外れも、残念ながら存在します。

なので半導体のアンプに比べると維持するには定期的なメンテナンスや真空管の交換等が必要になります。

そして、最後に熱を発するといところですね。
冬場はとても暖かくて暖房の代わりになりますが、夏場はどうしても部屋が暑くなります。
クーラーは必須です。

真空管の種類

 真空管は、種類があり異なる働きをします。

整流管

整流管の役割は家庭用コンセント、交流100vから直流電源を作ることです。
整流管に続くプリ菅、パワー菅を動作させるには直流電源が必要になる為、
整流管で直流電源を作ります。

プリ菅

電圧増幅菅とも呼ばれます。プリアンプに使用される真空管です。メインアンプの前段にも使用します。

パワー菅

電力増幅菅とも呼ばれます。プリ菅で増幅された音楽信号をスピーカーが動作するくらいの大きな信号に増幅する真空管です。

真空管による音の違い

真空管は同じ型番でもメーカーにより微妙に構造がことなる点や、電源部分のトランスとの組み合わせによっても音が変わってきます。

菅を変えることによって、音質は確かに変わりますが、
部品の相性等にも大きく左右される点は前提としてありますので、
この型番の真空管はこういう音がするという説明が難しい点があります。

参考までに現在当店で使用している真空管は、EL34(6CA7)という菅です。
昨年までは、300Bという菅を使用していました。
300Bは繊細な音質で、ピアノの音色なんかは聴いていてうっとりします。

現在使用しているのEL34の菅は、繊細さは薄れたものの音質が太くなり音色が丸くもこっとした感じがします。
真が太くなったので、ジャズやダンスミュージックは聴いていてウキウキしてきます。

まとめ

音楽を聴くシステムは、どんどんお金が掛からなくなりました。
スマフォで音楽を聴く、DVDプレーヤーCDを聴くこともできますし、パソコンのスピーカーで聴くことだってできますよね。
昔よりも音楽が身近になったのは良いことだと思いますが、その分音楽を聴くという楽しみ方が弱まってしまった気もします。

好きなアーティストの音楽を真空管アンプといわずとも、自分色の音質で聴くことで
聴く音楽が2倍にも3倍にも良くなって、ご自宅がもっと素敵な場所になるかもしれませんよ。
音を出すための機材でしっかり音楽を聴いてみませんか。

いろいろと書いてみましたが、真空管アンプの良さは言葉では言い表せません。
「百聞一見にしかず」ならぬ、「百聞一聴にしかず」です。
ぜひ、一度真空管アンプの音を聞いてみてください。

当店では、真空管アンプで音楽を掛けております。
機会があれば、ぜひ当店の音をコーヒーと共に聴いてみてください。

忙しい時間帯でなければ、レコードも掛けております。

お待ちしております。

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